弟を恐れ慄かせたスプレー音

中学生思い出
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※上部にある「私のプロフィール」で、私のことを「知って」から読むと、より楽しめるかもしれません。

私には2歳下の弟がいる。
彼の性格を詳しく記述しようとすれば、膨大な量になってしまうため割愛する。
しかし、一言で表現するならば、彼は非常に怖がりな性格である。
例えば、彼の部屋にゴキブリが出現した時などは、部屋中に響き渡るほど巨大な恐れ慄く叫び声を聞くことができる。

私が中学生だった、ある日のこと。
私は自室で勉強をしていると、突然、弟の部屋から声が聞こえてきた。
「え!何!えっ!えっ!うわ、うわ、うわーーー!」
私は一瞬で状況を察した。
恐らく、何か面白いことが起きている。
私は表面上は心配そうな声で、
「どうした?」
と呼びかけた。
しかし、その表情には隠しきれない笑みが浮かんでいた。
そして、殺虫スプレーを片手に、弟の部屋へ向かった。

弟の部屋へ到着すると、そこには弟の叫び声を聞きつけて駆けつけた母の姿があった。
我が家では、自宅内に昆虫が侵入した場合、その駆除役は基本的に母だった。
この日も例外ではない。
母は殺虫スプレーを片手に、真剣な表情でゴキブリを見つめていた。
そして、弟と私は少し離れた位置から、その様子を見守っていた。
もちろん、ゴキブリが突然こちらへ向かってくる可能性も考え、私も右手には殺虫スプレーを握っていた。

前述した通り、弟はかなりの怖がりである。
そのため、観察中に身体が少し痒くなれば、普段以上に大げさに掻く。
また、何かが身体に触れたように感じれば、必要以上の勢いで払いのける。
最初のうちは、ゴキブリが突然動き出したり、飛び立ったりする可能性を考え、我々も緊張感を持って母とゴキブリの対峙を見守っていた。
しかし、ゴキブリは一向に動かなかった。
長時間にわたり、完全な膠着状態が続いた。
その結果、弟の緊張感は徐々に失われていった。
そして、ついにはその場にしゃがみ込んでしまった。
すると、弟の頭の位置が、偶然にも私が殺虫スプレーを持っている右手とほぼ同じ高さになった。

もちろん、我々三人は一言も発することなく、静かにゴキブリを観察していた。
しかし、何か面白い出来事が起こりそうな雰囲気だったにもかかわらず、状況は何も変化しない。
ただ静寂だけが続いていた。
そして、その時ふと、小さな悪戯心が芽生えた。
「少しくらいなら…」
そう思った私は、持っていた殺虫スプレーのボタンを一瞬だけ軽く押した。
すると、
「スーゥ」
というかすかな音とともに、ごく少量の霧状の殺虫成分が空間へ放たれた。

次の瞬間だった。
弟は、
「ウッ!」
という声とも呼べない声を発した。
恐らく、あまりの驚きで叫ぶことすらできなかったのだろう。
そして、しゃがんだ姿勢のまま、まるで空中へ飛び上がるようにJumpし、そのまま後方へ退いた。
その後、血相を変えた弟から、本気のグーPunchが飛んできたことは言うまでもない。

以上の出来事が具体的にいつ起きたのかは覚えていない。
しかし、この日に味わった、
「私の軽率な悪戯心」
「弟の油断」
そして、
「極限状態が生み出した弟のJump」
という三つの要素が織り成した出来事を、私はこれからも忘れることはないだろう。

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